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外向き25番ポートへの接続を一部制限しています.
 弊社では,迷惑行為へのさらなる総合的な取り組みの一環として,2005年11月1日から「外向き25番ポートへの接続」を一部制限しています.特殊なメーラを使って特に大量のメールを送信するような形態の利用が制限されます.
 ※この制限は「外向きポート25番ブロッキング」とは異なり,外向き25番のパケットをすべて規制するものではありません.このため通常のメール送信にはほとんど影響を与えません.
(実施にあたっての発表資料はこちらです.)

外向き25番ポートへの接続制限とは?

 弊社に限らずISP利用者からの迷惑メールの送信は,ほとんどの場合「自前サーバ」から行われます.(通常のメール送信の多くがISPのメールサーバを経由することと対照的です.)
 具体的には,契約者回線に接続された自前のメールサーバから,迷惑メールの送信先のメールサーバの25番ポート(メールを受け取るポート)に直接送信を行います.

 このためすでに一部の事業者において「外向き25番ポートのブロック」,すなわちISPの契約者回線から外のサーバの25番ポートに接続できなくする方法が実施されています.この方法により,利用者が直接外部のメールサーバにメールを送信することができず,必ずISPのメールサーバを経由しなければならないことになります.ISPのメールサーバは送信通数の制御が行われていることが通例であるため,迷惑メールの送信抑止に効果があると説明されています.
 一方,利用者の中には勤務先や他の組織のメールサーバをPOP before SMTPなどの手段により利用する人も多く,このこと自体は何ら制限されるべきことではありません.弊社では,現時点で外向き25番を完全に閉じることは一般のお客様への影響が多すぎるため妥当ではないと考えています.
 このような状況を踏まえ,できるだけ一般のお客様への影響を避けながら,弊社のネットワークを迷惑メールの送信に利用されにくくする方法として試験実施するのが,「外向きポート25番の一部制限」です.

 一般の利用者のメーラは,同時に何人もの人にメールを送る場合でも,1つのセッション(メールサーバとの接続)を順次使いながら送信を行います.
 これに対して迷惑メール送信者のメーラは,大量のメールを効率よく送信するため,同時に多数のメールサーバへのセッションを張り,それぞれから次々と大量のメールを送信しています.
 このため,1つの契約者回線から同時に張れるセッションの数を制限することができれば,一般の利用者への影響を最小限に抑えながら実質的に契約者回線から直接送信できるメールの量を制限することが期待されます.
 弊社では,(1)同時に外向きの25番ポートに張れるセッションの数を制限する (2)1回の接続ごとに一定時間の遅延を挿入し,メールの送信に時間がかかるようにする の2つを実施し,一般のお客様への影響をほとんど生じさせることなく迷惑メールの送信可能通数を減少させる実証実験を実施しています.

試験の概要

試験期間

 2005年11月1日から当面の間(3ヶ月〜6ヶ月程度を予定)
 ※ご利用中にご不便を感じられたお客様(通常のメールの送信に影響が生じた方)は,遠慮なくカスタマサービスセンタまでお申し付けください.
 ※試験により通信設備やお客様のご利用に著しい影響が生じた場合は,試験を中断しまたは取り止めることがあります.
 ※2005年11月〜2006年1月(予定)にかけて,バックボーンの増強工事を実施します.工事の都合上必要な場合は,試験を中断することがあります.

影響を受けるお客さま

 弊社のダイアルアップサービス(フレッツ対応型サービスを含みます.)をご利用のお客様.(固定IPアドレスオプションをご利用の方は対象となりません.)
 ※固定IPアドレスの方は一律の規制の対象ではありませんが,迷惑メールの送信等の情報が寄せられた場合などは,提供約款の規定により個別的に規制を実施することがあります.

影響の内容

 お客様側での設定の変更は必要ありません.そのままご利用いただけます.
 外部(弊社外)のサーバの25番ポートへのTCP通信について,同時接続数を制限するとともに,接続開始時の遅延を挿入します.このため,特殊なメーラを使って特に大量のメールを送信するような場合は送信がしにくくなりますが,一般のお客様にはほとんど影響が生じません.

試験期間中の運用について

 実証実験は,2005年11月から概ね3〜6ヶ月を目処に実施する予定です.
 この間は,外向き25番ポートの規制による効果の検証,規制値の増減,規制の解除・実施の際の効果の増減,通信設備や他のお客様への影響などを全般的に調査してまいりたいと考えています.
 ※規制が断続的になることもあります.
 なお,電気通信事業者は法令により通信の秘密を侵してはならないものとされており,個別の利用者の通信傾向等を故なく調査することも通信の秘密の侵害にあたると考えられます.このため,統計・調査はこれに抵触しないよう十分な検討・注意の上行います.

受信者の方へのお願い

 現在まで,迷惑メールの送信者に対しては,原則として送信中止の要請(利用停止予告)を行い,自主的に中止せず,さらに受信者からの申告が寄せられる場合に利用停止を行ってまいりました.(誤認による利用停止を避けるため,予告の上で利用停止を行うことを原則とし,事例によっては即時利用停止を行うこととしてまいりました.なお,事実誤認による利用停止を行うことがないよう,中止要請,利用停止ともある程度の数の申告を受けて行っております.)
 11月以降,動的アドレスの場合は一律に規制を行うことができることになります.
 また,固定IPアドレスの場合も状況に応じ比較的柔軟に同様の制限を行うことが改定約款により可能となっていること,制限が行われたとしても一般的な利用者の利用形態では大きな影響が生じないと考えられることから,従来よりも早い時点で制限を実施することが可能となります.(下図をご参照ください)

 この制限を行うと,それ以降のメールの送信通数が大きく減少することが予想されます.このため,規制実施後の受信者からの申告も合わせて減少し,利用停止までの期間は従来よりも長くなる可能性があります.ただしこれは送信されるメールが減少することによるものですので,利用停止までの間に多くのメールが送信されるようになるものではないことをご理解ください.
 なお,11月からの特定電子メール法の改正に伴い,一部の行為については行政処分を経ずに刑罰が課されることがあります.
 弊社では,警察等に告発が可能な事例について,ここに記載の方法で送信通数の規制を実施した上,証拠の散逸を防ぐため利用停止にかわり刑事告発を実施することも検討しています.
 (特定電子メール法の改正に伴う弊社の対応については,こちらをご参照ください.)